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Nature and Urbanization

こんにちは! 育志館・加茂校の辻本晃平です。

いよいよ暑くなってきましたね。夏野菜が美味しくなってきて、ここ最近は毎日料理をしています。シンプルな味付けでいただく旬の野菜、最高ですね。


塾では授業と授業の間の休み時間に、生徒とたわいもない会話をしたりもします。夏休みは何をするの?とか、どこか旅行に行くの?などと聞いたりします。

ある日、ふと「好き嫌い」の話になったのですが、生徒たちは全員口を揃えて「虫が嫌い」と言っていました。(野菜の話じゃないです。すいません)


私が子供の頃は、夏休みといえば、水の張ってある近所の田んぼで遊んだり、あるいは木津川に泳ぎに行ったりもしていましたし、また山に行けば、率先して虫取りをしていたものです。いつも肌には生傷が絶えなかったですし、一度ならずと大きな怪我をしたこともあります。やはり屋外で遊ぶときはおのずと、ある程度危険も伴ってくるものです。

しかし、そういう少年時代の経験がなければ、良くも悪くも私は今とは全く違った人間になっていたでしょう。もちろん私は今でも大した人間ではありませんが、幼いころに自然との関わり無くしては、今よりずっと不健全な成長しか遂げられなかったはずです。

とにかく私は、そうして大人になってから改めて、自然に恵まれたここ京都府南部に産まれ、少年時代を過ごすことができたことを、感謝するようになりました。今にして思えば自分はすごく恵まれていたな、と。


日本における町の景観の移り変わりというのは恐ろしく早いもので、思えば私が生きてきたこの十数年の間だけでも、私の故郷である京都府南部はめまぐるしいスピードで都市化が進み、次々と田畑や森林が壊され、河川が縮小あるいは拡張されました。
それに代わるようにして、没個性的な住宅が立ち並ぶようになり、またアスファルトが土や河を覆うようになっていったように思います。

そして―私には到底信じられないのですが―人々の多くはどうやらそれらの変化を、疑問を呈することなく、むしろ歓迎するものとして受け入れているようです。少なくともこれまで工事に反対する大々的な運動が行われたなどという話を私は耳にしたことがありません。

年々、都市計画がスピードを増して進められてゆく中で、「この辺りの土地も『綺麗』になったね」と地域の人々が口にするのを一度ならずと私は聞いたことがあるのですが、どうやら損なわれてしまった「自然」というかけがえのない価値に思いを馳せる人は、残念ながらそう多くはないようです。


そして、子供たちが自然や昆虫などと触れあうことのできる機会は、都市化に伴い、どんどんと減っていったのではないでしょうか。

子供たちと話をしていると、現代の子供たちのカルチャーを台頭するのは虫取りや魚釣りといった遊びよりはむしろ、テレビゲームやモバイルゲームなどといったもののようです。

極端な話、家庭によっては、屋外で遊ぶことはもはや「危険である」として、積極的に屋内に子供を囲ってしまうところもあるのではないでしょうか。

「今はそういう時代だから」などとはよく聞きますが、そのようなよく分からない理屈で、子供たちが自然から遠のいてしまうというのは、誠に悲しい話です。


まだ少し早いかもしれませんが、「夏休み」というのは子供たちが普段学校ではできない色々なことを経験することのできる大事な期間だと思います。ひたすらクラブ活動に打ち込むのもよければ、目一杯遊ぶのもいいのではないでしょうか。できるなら屋外で、それも真っ黒に日焼けしてお風呂に入れなくなるくらい、ひたすら活発に遊べばいいと私は個人的に思います。

それこそまさに「こんな時代」にあって、加茂はまだまだ自然が豊かです。「地の利」とはよく言ったもので、この地に産まれたことの恵み、チャンスを生かさない手はないでしょう。わざわざ遠くに出掛けなくても、身近に自然が感じられるというのは、何にも代え難く素晴らしいことなのですから。

自然や動物や昆虫と触れあう経験というのは、きっと生涯にわたって子供たちの心を温めつづける貴重な経験となるはずです。


さて、私はこの夏はどう過ごしましょうか?
気づけば夏本番ももう目前!私は今から楽しみで仕方ありません。


育志館 加茂校 辻本晃平