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となりのケーキ屋さん

WINGATE高の原スクールのとなりはケーキ屋さんです。
しかもすごーーーく人気のある有名なケーキ屋さんです。

平日でも毎日ひっきりなしにお客さんがやってきます。
土、日などは「ひっきりなし」という表現を超えた状態です。

私も実はこのケーキ屋さんの大ファンで、開店当初から通っています。この3月に高の原スクールを開校するまでは、まさかそのとなりが私の仕事場になるなんて想像もしていませんでした。

私がこのケーキ屋さんのファンである理由は、もちろん「美味い!」が一番ですが、値段がその割りにとてもリーズナブルなところです。見た目もほんとに美しい魅力的なものがたくさん並んでいますが、値札を見るととても有名店のケーキとは思えないものです。

その魅力の理由はこのケーキ屋さんのHPの
「シェフ・ナカギリの想い」に次のようにつづられています。

****以下HPより抜粋*************
~略~
アルバイト先で見た職人の世界がなんとなくいいように思えたんです。
一流のパティシェになろうと思い、この世界に入りました。
入ってみると、とにかく仕事がきつい、シェフが厳しい。見習いの間は、何もできないですから一日中卵だけをひたすら割っていました。失敗でもしようものならシェフの鉄拳が飛んでいましたね。当然見習いですから給料が安いんですよね。 このときほど「もっと勉強をやってれば・・・」と後悔したのはいうまでもありません。

でももう後戻りはできなかったのでやるしかないと頑張りました。

年数が経つにつれ店も変わってゆき、いろいろな人に出会えることができ人生の上での勉強をさせていただきました。
東京で10年、栃木で5年、その間にベルギーのヴィタメールでも仕事をさせてもらいました。


平成11年の11月に今の場所に念願の店を開くことになりました。
菓子を作れても店をはじめるとなると、何から始めるのか全然わからなかったんです。でもたくさんの先輩に来ていただき華やかなオープンを迎えることができたのです。 「お金がいくらあっても店はできない、大事に想う人が何人いてるか」これが大事だって言われたことがそのときよく分かりました。


1年2年過ぎていく中で、今後どのような店にして行けば良いか考え始めたんですよね。
思案している中、店で想わぬことに出くわしたのです。


店にたっていると、小学生ぐらいの女の子と幼稚園ぐらいの男の子が店に来てくれていたんですね。お母さんと一緒だと思っていたんですけど、二人だけみたいなので、 そこで「お伺いしましょうか?」って聞いたんです。
女の子が「シュークリームをひとつください」って。
「二人で食べるんですか?」って聞くと、女の子が「パパのお誕生日」て言ったんです。
袋に入れてお会計のときに女の子が私の手のひらに、お金を置いてくれたんです。
びっくりしました。二枚のお金がものすごく熱いんですよね。
150円。そのときは消費税分なんて言えないですよね。
落とさないように持っていたお金。片方の手で男の子の手を握りしめていた。


シュークリームを渡したときの、「ありがとう」の言葉と笑顔がシェフナカギリの店のあり方を教えてくれました。


一流の菓子を作る努力よりも、お客様が喜んでいただける菓子を作ろうと決めました。


「おいしいお菓子はよい材料を使いまじめに作る」これ以外にないと確信しています

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私はこれを読んだとき「だからあの価格であの美味さがあるんだ!!」と心底納得がいきました。


賞をねらったケーキではなく、儲けをねらったケーキでもない。
喜んでもらえるケーキをまじめに作り続けておられるケーキ屋さん。

「思い」をもつことはそんなに難しいことではありません。
でも「思い続ける」ことは誰にでもできる簡単なことではありません。

これだけ評判の有名店になっても開店から15年経っても
「思い続けて」おられるから、ひっきりなしに次から次へとお客さんがそのケーキを買いに来られるんでしょうね。

このことはケーキ屋さんだけの話ではないですよね。
となりに来られるお客さんを毎日見ながら
私も思い続けます。

「納得の笑顔を見るのが私たちの毎日の喜びです。」